以降、X子の聴取は連日のように続いたが、彼女はその度に完璧なメイクをして、香水をつけて長い髪をきれいに結っていた。着ている洋服も常に変わった。その姿があまりに完璧なので、警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間に、すれ違った多くの警察官が思わず振り返ったほどだ。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
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source : 週刊文春 電子版オリジナル