新聞の存在意義は何なのか。そう考えてしまう出来事が増えている。まず神田憲次財務副大臣更迭のニュース。自身が代表を務める会社の土地と建物を4度も差し押さえられていたことが判明した。9月の内閣改造後、政務三役の交代は3人目。更迭に時間がかかったことへの批判もあり、岸田政権は大打撃を受けている――。どの新聞も判で押したような書きぶりだ。

 本欄は『週刊文春』のコラムだし、身内を持ち上げるのはなるべく避けたいところ。しかし神田氏の税金滞納も、今回の「辞任ドミノ」の口火を切った山田太郎文部科学政務官の不倫も初出は文春だった。ともすれば政局に発展するかもしれない出来事を新聞は先行報道できていない。

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source : 週刊文春 2023年11月30日号