「えっとー、なんか全体的に言うと、実はこう、ソシエダと私の方で話をしていて。私、元々エンタメの仕事をしておりまして、エンタメの仕事からの、派生として、スポーツっていうものが非常に面白いなという印象を受けていたのと、最近って巷で高額チケットだったり、多くの子どもたちが、なかなかその試合を観れないっていうハードルがあったと思うので――」

 

 11月25日夜、「週刊文春」の電話取材に滔々と語り始めたのは 、「株式会社ヤスダグループ」代表の安田慶祐(けいすけ)氏(41)。同社は、久保建英 (たけふさ・23)が所属するスペインサッカー1部リーグ「レアル・ソシエダ」とメインスポンサー契約を締結したばかりなのだが……。

契約締結をアナウンス(レアル・ソシエダのHPより)

 ソシエダのエースとして、昨季はクラブを欧州チャンピオンズリーグ圏内(4位)に導いた久保。今季は9月に日本人初の月間MVPを受賞するなど、シーズン序盤は圧巻のプレーを見せていた。

 そのソシエダが10月6日に発表したのが、ヤスダグループとのメインスポンサー契約の締結だ。楽天グループが同じスペイン1部の強豪「FCバルセロナ」のスポンサーになった際の契約額は年約65億円だったが、流石にバルサには及ばないとしても、ヤスダグループからは巨額のスポンサー料が支払われたと見られる。クラブのリリースによれば、ヤスダグループとは〈安田財閥によって20世紀に設立され、1世紀以上にわたり、日本に影響を与え、社会的にも高い評価を受けています〉。久保も動画チャンネルで「ヤスダグループの契約締結を誠に嬉しく思っています」と挨拶していた。

――でも、そんな会社、あったっけ? 

調査レポートには〈多くの関係者が苦慮している〉

 ヤスダグループの法人登記簿によれば、設立は20世紀どころか、今年9月。資本金は10万円だった。安田氏は過去に、自身のプロフィールを〈安田財閥の創始者安田善次郎の子孫として、鎌倉に生まれる〉(安田氏が登場したイベントの案内文より)と紹介していた。それによれば、8歳でフラダンスと出会い、ハワイ大学卒業を経て、フラのビジネスを立ち上げたという。実際、2004年に「株式会社ヤスダインターナショナル」を設立。同社でハワイの有名歌手を招いたコンサートなどを手掛けてきた。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル