「中止期間を設けて、宙(そら)組として新たにスタートしていくために何が必要なのかを、生徒一人一人が考えてほしいと思うねんね」
12月4日、宝塚歌劇団宙組生六十数名にそう語りかけたのは、劇団ナンバー2の高田健司専務理事。その日、劇団幹部とパワハラ主犯格が語ったことは――。
宙組生の有愛(ありあ)きい(享年25)の自死から2カ月が過ぎた。
〈娘は、もう何を言う事も出来ません。それを良いことに、自分たちの都合の良いように真実をすり替え、娘の尊厳をこれ以上傷つけるのはやめてください〉
遺族の悲痛な訴えが公表されたのは、12月7日の遺族側弁護士会見だ。遺族側は上級生らによる15のパワハラ行為を主張。有愛のLINEや上級生に負わされた火傷の写真など、物的証拠を会見で公にした。
その3日前に宝塚大劇場で開かれたのが、冒頭の宙組説明会だ。村上浩爾(こうじ)理事長から公演中止の通達があった後、高田氏が挨拶した。生徒が耳を疑うような発言が飛び出したのは、公演中止を詫びた直後だった。
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source : 週刊文春 2023年12月21日号