「監督さんからは『“スリー”を“トゥリー”と言ってほしい』と指導があったくらいかな。あとは『自由にやってみて』という感じで。僕は役作りとか、あんまり難しく考えるのが好きじゃないんです。現場に入って、台本で読んだ印象と、実際やってみるとで変わってしまう部分も多いし。やっぱり相手が居てお芝居が成り立つ部分も多いから」
そう語るのは、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』で、「トゥリー、トゥ、ワン、ゼロ」の台詞が印象的な作曲家・羽鳥善一を好演中の草彅剛(49)だ。
羽鳥は、「ラッパと娘」「東京ブギウギ」などの楽曲提供を通して、ヒロイン・福来スズ子(趣里)の人生に大きな影響を与えていく役どころ。趣里との掛け合いのシーンも多い。
「どの作品も最初は本当にわからないことが多いけど、趣里ちゃんがすごく明るい存在で『この作品、うまくいくな』って思ったんですよ。オーラというか空気感かな。で、僕も調子良いもんだから、モニターを見て彼女が本当に良い表情だったので、最高だなと思って『ジャズだね』って」
――趣里さんは何と?
「『草彅さん、適当なこと言わないで下さいよ!』みたいな(笑)。『いや、適当じゃないよ。僕は本当にそう思ってるから言ってるんだよ』って。『今のシーン最高だったね』と常に褒めてた。本当にそう思わないと口には出ないんですよ。だから、趣里ちゃんに引っ張ってもらっていますね」
そんな趣里とのお気に入りのシーンを尋ねると、
「あ! すごくカットしてるところがあるんですよ。僕がやり過ぎたんだろうね(笑)」
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source : 週刊文春 2023年12月21日号