「やっぱり僕なりに戦ってきた」。かつて“岡田健史”だった青年はそう静かに、しかし力強く答えた。『ブギウギ』でヒロインの最愛の人を熱演する彼は一体、何と戦ってきたのか。その先にいま、何を見据えているのか。
「もし2度目があったとしたら、それは多分、僕が芸能界を引退する時なんだろうなと思います。それぐらい、やっぱり僕なりに戦ったことでもあって。別に僕の方が正義ということではないけど……もちろん、僕は正解だと信じて色々突き進んだ部分はありました。少なからず迷惑を被った方もいらっしゃいます。本当に、色んな立場の人たちのことを考えた時期でもあった。一方で、自分を守るってどういうことなんだろうっていうのも考えた。あれをきっかけに、今の僕があるっていう感じです」
そう静かに、しかし力強く自らの“過去”を語ったのは、“岡田健史(けんし)”改め俳優の水上恒司(こうし、24)だ。
◇
小誌先週号でも、9ページの大特集を組んだNHK連続テレビ小説『ブギウギ』。水上は、吉本興業がモデルとされる村山興業の御曹司・村山愛助を演じている。ヒロインの福来スズ子(趣里)の9歳下で、彼女の“最愛の人”となる重要な役どころだ。
「スズ子の人生を喜劇として捉える視点が凄く大事にされていて。一見あまり辛くなさそうですけど、よくよく見たら『とんでもないぞ』っていう人生ですよね。でも、こんなことあったねって笑えるって、人として魅力がある。やっぱり日本人って“察して文化”でもあるから、自己顕示欲みたいなものがそんなにない。でも、『ブギウギ』はその自己顕示欲も出ている作品だと思っていて。だから面白いし、朝に観るに値する作品だと僕は思います」
初登場の翌日となった12月12日放送の第52話では、偶然乗り合わせた列車で、スズ子が歌う「故郷」に愛助が感銘を受けるシーンがあった。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます
-
月額プラン
1カ月更新
2,200円/月
初回登録は初月300円
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2023年12月28日号