ゲームも漫画も、家でハマってた事が仕事になりました。老眼鏡でゲームやってます(笑)。|有野晋哉

新・家の履歴書 第862回

岸川 真
ライフ ライフスタイル

(ありのしんや お笑い芸人。1972年、大阪府生まれ。90年、濱口優とお笑いコンビ「よゐこ」を結成。92年、ABCお笑い新人グランプリ審査員特別賞、上方漫才大賞新人奨励賞を受賞。『笑っていいとも!』『めちゃ×2イケてるッ!』などで人気を博す。『ゲームセンターCX』は20周年を迎えた。)

 

 コンビ結成30年を超え、“有野課長”としてやらせて頂いてる『ゲームセンターCX』も20周年です。さいたまスーパーアリーナのイベントへも仰山、お客さんが足を運んでくれました。だけど、イベント終わって電車目指して帰る皆さん、お見送りの僕には目もくれない。コントローラー握った課長が人気なんですわ(笑)。

 よゐことして濱口優さんとコンビを組む有野晋哉さんは1972年、大阪府大阪市此花区で3人きょうだいの末っ子として生まれた。

 おとんが左官業、おかんはパートで保険の外交員をやる共働きの団地住まいでした。最初、僕を預けてた幼稚園が遠くて、団地に近い福島区に転園させようと役所に「入れたって下さい」と掛け合ったみたい。転園が決まるまで近所の人に僕を預けるのに、「パート代の半分あげる」って頼んでたそうです。そんな気前良すぎますよね(笑)。

 西九条にあった団地は17号棟まであった。部屋は6畳2間。家族5人ではギュウギュウやけど、おかんが僕らの成長と共に部屋割りを細かく変えてくれたんで不便な感じはなかったですね。風呂はベランダに1人入ったら一杯のカプセル型ユニットバスを据えてました。半分外でしょ? 内風呂はええんやけど、冬に入るの寒くて嫌やったなあ。

イラストレーション 市川興一/いしいつとむ

 大阪市立西九条小学校へ上がると、団地の仲がいい子が多かったんで、ずうっと外で遊んでましたよ。学校帰りにツツジの花の蜜吸ったり。なんであんなに吸えたんか思うくらい吸ってたな(笑)。放課後は5号棟の裏の雲梯と砂場しかない公園に集まって鬼ごっこ、ビー玉とかやってました。知らないおっちゃんが「俺にもやらせえ」なんて途中参加してくることもありました。それで小学生相手にボコボコに勝つんですわ。「弱いのう」なんて捨てゼリフ吐いて帰るみたいな(笑)。

“ドッテン”“戦争”……団地の友達と遊ぶ日々。中3の時に出会った相方の一言で進路が決まった

 その頃、団地の子特有の遊びがあったんですよ。まず、“ドッテン”。団地じゃ野球禁止なんで、駐車場の車止めの角に庭球を当てて、跳ね返ったのを後ろにいる守備の子が取るという遊び。取ったらアウト、落としたら進塁。団地以外の子へ「ドッテンやろか」と誘っても、「何やそれ?」と言われる完全ローカルな遊びでして。その究極形が“戦争”です。ツマグロカミキリモドキって虫がヘータイ虫って呼ばれてたから、そんな変な名前になったんかな。で、その虫を肘の内側に乗せ、曲げて潰すと勝ち。へータイが生きてたら噛まれて水ぶくれが出来る、それは負けなんですけど……冷静に説明してたらコレ、ムチャクチャな遊び(笑)。猛者は2匹乗せて両腕で「戦争ダブルや!」て言うたり。家にテレビゲームがない時代です。他の楽しみは駄菓子屋巡りでした。安いとこ、ゲームや10円ゲームが充実してるとこをハシゴして。

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source : 週刊文春 2024年1月4日・11日号

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