ドラフトの目玉である根尾昂選手を擁し、甲子園で史上初の2度目の春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭。西谷監督は、1988年創設の新興野球部をいかにして「憎らしいほど強い」チームに育て上げたのか。長きにわたり大阪桐蔭の取材を続ける筆者が徹底取材で迫る。
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この夏、100回記念の全国高等学校選手権大会において、大阪桐蔭は史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。通算8回(春3回、夏5回)という日本一経験は歴代単独2位の記録となり、高校野球は今、大阪桐蔭の一強時代を迎えている。
監督の西谷浩一は言う。
「今年の3年生は下級生の頃から試合に出場することが多く、昨年センバツで勝つことができた。彼らは“最強世代”と呼ばれて来ましたが、僕自身はそう思っていなかったですし、ネットによって作られた虚像でしょう。もちろん、3度の全国制覇を達成したのだから、最強世代に近づいたとは思っていますが」
4人がプロ志望届を提出
10月25日のプロ野球ドラフト会議を前に、大阪桐蔭からプロ志望届を提出したのは、遊撃手兼投手の二刀流で、世代ナンバー1球児となった根尾昂(あきら)に、「トリプルスリー」を目標に掲げる俊足・強肩の外野手である藤原恭大(きょうた)。さらに豪腕エースの柿木蓮、長身左腕の横川凱(がい)の4人である。これまで20人以上の教え子をプロに送り込んできた西谷にとっても、一度に4人という例はない。
しかし、全国から“好素材”を集めただけで、98年の監督就任から、55勝9敗という驚異の勝率を聖地で刻むことなどできるはずもない。それは西谷の手腕に他ならない。
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source : 週刊文春 2018年11月1日号