何気なく読んでいる雑誌のこの文字もあの文字も、実は誰かが手書きでデザインしたもの。知ってるようで知らないフォントの世界に、皆さんをお連れします。先生はヒラギノや游書体を生み出した字游工房の鳥海修さん!
(とりのうみおさむ 書体設計士。1955年生まれ。山形県出身。79年写研入社。89年字游工房の設立に参加し、ヒラギノシリーズ、游書体ライブラリーなどベーシック書体を中心に様々な書体開発に携わる。著書に日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した『文字を作る仕事』など。「松本文字塾」主宰。)
阿川 わざわざ遠方からお出でいただいて。安曇野に住まわれて長いんですか?
鳥海 いえ、2年とちょっとです。前は調布に住んでいたんですが、コロナで会社に行かなくてもよくなり、それなら人の多い東京を離れようと引っ越しました。
阿川 お仕事場が安曇野にある?
鳥海 私は字游工房という、もともと仲間3人で作った会社に所属しています。皆さんが普段パソコンで使っている「ヒラギノ」や「游書体」などの書体を作った会社ですが、そこを2019年にフォント大手の「モリサワ」に買ってもらった。今は取締役を外れて、普通の書体デザイナーとして働いています。字を作るだけならどこでもできるので。
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source : 週刊文春 2024年3月7日号