警察官をしていると、ときおりとんでもない動機の事件というものに出会う。
例えば、俺が所轄にいた頃に、こんなことがあった。
ある日、管内で車のひき逃げ事件があり、俺は所轄の捜査員として現場に急行した。被害者は幸いにも大きなけがをしておらず、意識もある。現場の道路は見通しが良く、とても人が跳ね飛ばされるような場所には見えなかった。
俺は当て逃げの現場は初めてで、被害者に状況を聞いた。
「おかしいな、これ。狙われたんじゃないの」
「そうかもしれないですね」
そこで当て逃げをした車のナンバーをNシステムで追跡したところ、あっさりとホシを割り出すことができた。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 電子版オリジナル