緊急事態宣言が発令されていた2021年7月16日夕方5時。渋谷区内に佇む豪邸の前に黒塗りの公用車が止まった。降りてきたのは、マスク姿の男女。大柄で日に焼けた男性はカステラの名店「黒船」の紙袋を提げ、かたや吉瀬美智子似の美女も両手一杯に荷物を抱えている。彼らの正体は――。
警視庁は2月21日、詐欺の疑いで中国籍の女性2人を書類送検した。埼玉県蕨市の女性(59)が、自身が経営する風俗店を整体院と偽り、20年7月に新型コロナの持続化給付金100万円を騙し取ったとされる。東京都墨田区の女性(44)は申請時に名義を貸していたという。
コロナ禍で流行した給付金詐取の手口だが、
「この件を捜査・発表したのは、詐欺などの知能犯を扱う捜査二課ではなく、公安部外事二課。外国スパイの摘発などを担当する外事課の中でも『中国・東南アジア専門』として21年4月に独立再編し、増員した部署です」(社会部記者)
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source : 週刊文春 2024年3月7日号