「ありがとう」「ごめんなさい」の2つはちゃんと言えるようにしなさい。こう口を酸っぱくして教えられてきた。教えたのは妻だ。妻自身は、わたしに対してどちらのことばも使ったことはない。
わたしは感謝も謝罪も数えきれないほど表明させられてきたため、いまでは心の中で鼻歌を歌いながら口に出せるまでになった。そのため、謝らなくてはならないとき、にこやかな顔を作って「ありがとう!」と言って激怒されたほどだ。
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source : 週刊文春 2024年4月11日号