わたしは世の中に何の貢献もしていないと思われているが、大間違いだ。
かつて埼玉県の和光市駅はホームも階段も老朽化が進み、崩れないようにそっと歩いたほどだった。池袋から20分の位置にあって駅員がいることを除けば田舎の無人駅のようだった。
だが、わたしが引っ越しして税金を和光市に払うようになった途端、老朽化していた駅のホームは一新され、複数の路線が通るようになったばかりか、駅前がきれいに開発されたのである。もう少し待っていたら、わたしの自宅も再開発されたかもしれない。
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source : 週刊文春 2024年4月4日号