ヒトとしてこの世に生をうけたからには、ひとかどの人物となって歴史にその名を残したい! そんなビッグな野望を抱いている方も、きっと読者諸賢のなかにはいることだろう。しかし、いったい何をすれば歴史に名が残るのか……? 新聞に載るような凶悪犯罪にでも手を染めるか? いやいや、それでは「汚名」が歴史に残ってしまう。選挙に出て政治家にでもなるか? 科学者となってノーベル賞を受賞するか? それとも、作家になって後世に残る名作文学を執筆するか? 今からでは、どれも難しそうだ……。そんなあなたに、実に簡単な、そして、とっておきの「歴史に名を残す」裏技をお教えしよう!
それは、「日記を残す」ことだ。
奈良時代の『日本書紀』に始まって、古来、わが国では中国に倣って朝廷主導のもと公式の歴史書である「正史」が編纂されてきた。しかし、そうした事業はあまりに手間がかかることから、平安時代前期には中断してしまい、以後、わが国で国家事業として「正史」が編纂されることは無くなる(その後はわずかに鎌倉幕府の『吾妻鏡』、江戸幕府の『徳川実紀』などがあるぐらい)。
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source : 週刊文春 2024年4月18日号