昔は何も考えずゲラゲラ笑って見ていたコメディやコントが、時代を経て今になると「不適切だ」とバッシングされたり、「差別的だ」として封印されたりする例を最近、よく見かける。ただ、歴史を遡ると、「不適切」は今に始まったことではない。

 かの有名なシェイクスピアの喜劇に「じゃじゃ馬ならし」(1593〜94年頃成立)という作品がある。わがままで粗暴な姉と、美しくておしとやかな妹は2人とも、そろそろ結婚を考える年頃。すでに妹には複数の求婚者もあったが、妹が姉より先に結婚するわけにはいかない。そこで妹の求婚者たちは、よそ者のペトルーキオを焚きつけ、高額な持参金を餌に姉との結婚を奨める。持参金に目が(くら)んだペトルーキオは姉と喜んで結婚し、以後、妻となった彼女への壮絶なモラハラを始める。

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source : 週刊文春 2024年5月30日号