せいぜい半年ぐらい続けば良いか、と軽い気持ちで始めた本連載も、気づけば丸2年。連載回数も、とうとう100回を超えてしまった。今月には、なんと、連載をまとめたエッセイ集『室町ワンダーランド あなたの知らない「もうひとつの日本」』(文藝春秋・1600円+税)も発売された。これまで愛読してくれた方々も、何度か読み逃してしまったという方々も、これを機にお手にとって再読していただければ感謝感激である。
それにしても感心させられるのは、「室町時代」なんてマイナーな時代を専門にする学者に、2年間にわたって誌面を提供することを許している『週刊文春』の寛大さである。近頃は知名度もあがってきたが、それでもたぶん「室町時代」は日本史上、一番人気がない時代ではなかろうか。「WEB歴史街道」が2015年に行った「もしタイムスリップするなら何時代」というアンケートでは、1位が江戸時代、2位が戦国・安土桃山時代、3位が平安時代と続き、室町時代は大正時代、縄文時代にも負けて、10位にも入らない圏外となっている。
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source : 週刊文春 2024年6月6日号