ねじねじは断捨離したけど、あの人、文春は捨てなかったの。亡くなる3日前には、点心とクリームソーダを喜んで食べていた。自宅で看取ることができて満足です。私もあんなふうに逝きたい。
「中尾の遺言の通り、内々で式をやろうとしたら逆に大変で……。『大丈夫、大丈夫』と自分に言い聞かせて準備していました。お骨になって、私一人になった途端に魂が抜けたみたいになってしまいました」
そう語るのは、5月16日に夫・中尾彬(享年81)に先立たれたばかりの妻・池波志乃(69)である。
夫を亡くして9日後、小誌の独占取材に応じ、60分間にわたってその胸中を告白した。昭和から令和を生き抜いた名俳優の遺言。その最後の日々とは――。
「中尾とはいつもベッタリ一緒にいたし、本人が望んでいたように、自宅で看取ることができたので、私としては満足なんです」
そう池波は語りだした。
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source : 週刊文春 2024年6月6日号