いつまでも終わりの見えないイスラエル軍のガザ攻撃。イスラエルは「奇襲攻撃によって多数のイスラエル人を殺害したハマスを絶滅させる」と主張して攻撃の手を緩めません。アメリカなどから複数の停戦案が提案されてきましたが、イスラエルは承諾しません。その背景にはイスラエル独特の選挙制度の存在があるのです。

 理想的な選挙制度とはどんなものか。世界各国を見ると、それぞれ工夫を凝らしていますが、なかなか理想には遠いようです。

 たとえば日本の衆議院選挙は「小選挙区比例代表並立制」。以前は「中選挙区制」でしたが、これでは政権交代が可能にならないという批判が高まり、いまの制度になりました。

 小選挙区制なら、二大政党制になりやすく、政権を維持してきた政党が失政をすると、国民が野党に投票することで政権交代が可能になるとの考えからです。たとえばイギリスやカナダの下院は小選挙区制なので政権交代が起きやすいとされています。事実、来月に実施されるイギリス総選挙では、いまの保守党に代わって労働党が政権に返り咲きそうな気配です。

 日本もこの選挙制度になってから、2度の政権交代が実現しました。

 しかし、小選挙区では、負けた候補者に投じられた票が全て無駄になり、いわゆる「死に票」が増えてしまう欠陥があります。また大政党に有利な制度で、少数意見が国会の議席に反映されないという問題点もあります。

 そこで日本の場合は比例代表の選挙も同時に実施します。それにより少数政党もそれなりに当選者を出すことが可能になっています。

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source : 週刊文春 2024年6月20日号