50代を過ぎると気がつかないうちに進行しているのが加齢性難聴だ。一度難聴になると完治は難しく、仕事の効率は下がり、認知症のリスクも上がってしまう。聞こえる耳を維持するために、やってはいけないタブーとは。

60代に入ると聞こえづらくなる人が増加

 スマホの普及やリモートワークなどが進んだことで、難聴の患者が増えている。国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの調査によると、日本では65歳以上の約1500万人が難聴に悩まされていると推計されている。国際医療福祉大学三田病院耳鼻咽喉科の岩崎聡教授が語る。

「難聴予防は非常に重大なテーマです。近年、認知症の発症に、難聴が大きくかかわっていることがわかってきました。しかし、難聴の症状が出ていない人は、自分の耳が悪くなるとは考えもしない。結果、耳が悪くなってから、急に対策を考えるようになる。それでは遅きに失しています。十分に聞こえている50〜60代のうちに、適切な予防策をとることが重要です」

岩崎教授

 そもそも難聴には2つの種類がある。田園調布耳鼻咽頭科医院の水上真美子医師が語る。

「難聴には、突発性難聴と加齢性難聴があります。突発性難聴は30〜60代で発症する事が多く、突然片方の耳が聞こえにくくなる病気です。原因は様々だといわれていて、ウイルス感染やストレスが関連しているのではないかと考えられていますが、現在もはっきりとはわかっていません」

水上医師

 突発性難聴によって低下した聴力を放置すると、約1カ月で固定化してしまう。そのため早期に治療を開始する必要がある。ステロイドホルモンや血管拡張薬、ビタミン剤などを使用するが、聴力が元のレベルに改善するケースは7〜8割くらいに留まるという。

「一方の加齢性難聴は、突発性難聴と違い、原因はある程度わかっています。耳の最も奥の内耳という部分にカタツムリのような形状の蝸牛という器官がありますが、そこにある有毛細胞が減少したり、有毛細胞についている聴毛が抜け落ちることで起きるのです。原因がわかっているので、タブーを避けることで、進行を遅らせ、聞こえる耳を維持することが可能となります」(同前)

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source : 週刊文春 2024年6月27日号