「去年春に入門した時から本人には『出世の早さは意識しなくてもいい。最終的に“どこ(の番付)”にいるかが大事だぞ』と、繰り返し説いてきました」
そう明かすのは、第72代横綱・稀勢の里こと二所ノ関親方(38)だ。
7月14日からの名古屋場所を新関脇として迎える大の里(24)に、元横綱の師匠は、どんな条件を課しているのか。
「幕の内に上がった今年初場所、次の大阪場所はどちらも11勝。順調に番付を上げてきましたが、入門して1年で優勝とは、さすがに想定外でしたね」
ようやく髷を結える髪の長さになった今年5月の夏場所。新小結の大の里は幕内初優勝を果たした。昨年5月の初土俵から7場所。幕下付け出し力士としては最速の記録だった。
だが、優勝インタビューで大の里は、前日に師匠から「優勝しても喜ぶな」と言われていたことも明かした。二所ノ関親方がその真意を語る。
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source : 週刊文春 2024年7月11日号