大阪の池田に五月山という山があるんです。そこの展望台からは右手に六甲山、正面に伊丹空港、遠くあべのハルカスまで見渡せて、すっばらしい景色なんです。この間、塩おにぎりとお茶を持って、久しぶりに登ってみました。
実は私、昔から何か嫌なことがあったら、ここに来てたんです。新婚時代、姑とモメると、ここでシクシク泣いたものです。それでも、しばらく山の深い緑を眺めていたら、スーッと気持ちが落ち着くんです。
やがて、子どもが生まれて、私も年いってきたら、姑とモメても、もう泣いたりしません。「チクショー!」とか言うようになってましたね。しまいには下界に向かって「クソババァ!」(笑)。
やっぱり人間って変わりますね。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2024年7月25日号