歴史教科書を見ると、室町時代や戦国時代の単元には必ず「商工業の発達」「都市の発展と町衆」や、「商業・流通の発達」「都市の発達と町人の成長」などの見出しがあって、この時期に諸産業の大きな発展があったことが述べられている。
それは確かにその通りで、室町時代に書かれた『庭訓往来』と呼ばれる手紙の模範文例集には、当時の諸国の物産品がとても数多く書き並べられている。『庭訓往来』は手紙文の形式をとりながらも、文中に庶民に身近な生活用語をちりばめることで、日常に必要な語彙を学べる単語集としての意味合いも兼ね備えていた。以下、そこに挙げられている当時の地方特産品を書き上げてみよう。
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source : 週刊文春 2024年8月8日号