3年前の2021年夏、ひとりのミュージシャンが表舞台から忽然と姿を消した。

 

 小山田圭吾。1989年に小沢健二とともに「フリッパーズ・ギター」としてデビューし、1993年からソロプロジェクト「コーネリアス」として活動する、日本を代表する音楽家だ。

 

 小山田は東京五輪の開会式の音楽を担当する立場にあったが、その直前、SNSを中心に過去のインタビュー記事の内容が炎上。開会式の直前に音楽担当を辞退するに至った。過去の雑誌記事で問題視されたのは、学生時代の“いじめ行為”に関する発言だった。

 

 何が真実で、何が嘘なのか——。結局、まともな検証はなされぬまま、東京五輪は終わり、小山田の炎上も忘れられていった。そして3年が経ち、2024年、五輪の舞台はパリへと移った。いま行われている五輪でも、毎日のように炎上が起こっている。

 

 ノンフィクション作家・中原一歩氏の著書『小山田圭吾「炎上」の嘘 東京五輪騒動の知られざる真相』は、小山田本人への20時間におよぶインタビューや徹底的な周辺取材をもとに、この「炎上」の真相に迫る1冊だ。同書は7月30日の発売直後から大きな反響を呼び、早々に重版が決定。改めて「東京五輪と小山田騒動」に注目が集まっている。

 

 誰が、いつ、何を間違え、小山田氏は炎上の渦に巻き込まれていったのか。炎上のメカニズムと、残された唯一の謎について、著者の中原氏が解説する。

 

出演:ノンフィクション作家・中原一歩(@ipponakahara)、電子版統括編集長・村井弦(@Gen_Murai

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source : 週刊文春