教育評論家で法政大学名誉教授の“尾木ママ”こと尾木直樹氏(77)。中学・高校の教師や大学教員として、44年間にわたり教壇に立ち続けた教育のスペシャリストが語る。
7月に宮内庁長官が会見で、悠仁さまが「成年式」以前でも園遊会などに参加される可能性があると説明しました。これが「今秋の園遊会に参加するのでは」という憶測を招き、さらにはこんな批判の声を生んでいます。
「受験生が園遊会に参加する暇があるのか」
ですが、この批判は大きな間違いです。
今時、1分1秒を惜しんで机に向かう人なんて、東大を含めどこの大学も欲しがっていません。今、日本の大学入試は急速に変化しています。受験生に園遊会に出る暇などないはずだと批判する人は、そのことを理解していないのです。
日本では一般入試に代わり、「総合型選抜」を取り入れる大学が増えています。ペーパーテストの点数だけではなく、学びへの意欲や広い視野、洞察力などが求められる試験です。
僕は2017年に法政大学を定年退職しましたが、僕の在籍時にも、指定校推薦や自己推薦といった推薦入試の仕組みが導入されていました。ある時、大学4年の時点での学生の成績を入試方式別に追跡調査したことがあります。すると成績が優秀だったのは、一般入試ではなく、自己推薦での入学者でした。
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source : 週刊文春 2024年9月12日号