王貞治、松井秀喜といった高卒レジェンドと、何かと比較される存在になっている。8月12日の一軍昇格以降、打率3割2分、3本塁打、11打点(9月2日時点)と打ちまくる巨人・浅野翔吾外野手(19)だ。

 8月14日の阪神戦では、プロ野球史上5年振り16人目、巨人では坂本勇人以来2人目となる10代での満塁ホームランを記録。王、松井ですらなし得なかった快挙だった。

 浅野は高松商時代にイチローの指導を受け、2022年夏の甲子園で打率7割の大活躍。52年ぶり8強入りの原動力となった。

「プロ2年目の今季は開幕一軍入りしたものの、4月上旬に二軍落ち。その際に阿部慎之助監督から『野球脳が足りない』と言われ、打席での狙い球の絞り方を改善するように課題を与えられていた。桑田真澄二軍監督が浅野を“強化指定選手”としてみっちり指導した甲斐もあり、8月は打率5割近くと絶好調に。そんな最中、助っ人外国人のヘルナンデスが左手首を骨折する大けがで離脱し、再昇格のチャンスが巡ってきた」(スポーツ紙記者)

将来の夢は母校の監督だという

 もともと浅野には阿部監督も目をかけていた。ルーキーイヤーの昨年、浅野がメディアの囲み取材を受けていた時のこと。当時の阿部ヘッドコーチがたまたま通りかかると、報道陣をじろりとにらみ、

「彼に変なこと聞かないでよ。そういうので潰されてきた選手をいっぱい見てきたからさ。マスコミもちゃんと選手を育ててよ」

 と釘を刺したのだ。

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source : 週刊文春 2024年9月12日号