今期の朝ドラ「虎に翼」を愛するあまり、私はどれだけの犠牲をはらってきただろうか。
明日はちょっと寝坊が出来る、という日でも必ず7時半に起きる。もう体がそうなってしまった。朝早く家を出る時は録画を忘れない。
台湾に行った時はどうしようかと思ったのであるが、幸いなことにホテルでNHKが見られた。
このあいだ男性の弁護士さんと話していたら、「僕も必ず見る」というので驚いた。
「これを見ないと、弁護士同士会話が出来ない」そうだ。
日本国憲法や少年法制定、家庭裁判所の設立、男女平等など難しいテーマをてんこ盛りにしながら、よくこれだけ面白くしたものである。脚本家はまだ30代の女性で、日大芸術学部卒。私の後輩ですっかり嬉しくなってしまった。
主人公の寅子さんは、朝ドラ史上いちばん偏差値が高いかもしれない。モデルになった女性もバリバリの高学歴女性である。今まで朝ドラのヒロインというと、たいてい、明るい、おっちょこちょい、そして頑張り屋ということになっているが、寅子さんはひと味違う。戦前のインテリ家庭に育った、生粋のハイパー女子。
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source : 週刊文春 2024年9月26日号