東京郊外の大型団地で育って、保育園から中学校までずっと一緒。途中、結婚したりして団地を離れた時期もあったけど、結局はまた親元に戻って団地の住人となった二人の女性の日常を描くドラマである。
愛称ノエチの太田野枝は大学の非常勤講師で、なっちゃんこと桜井奈津子は以前バリバリに売れていたイラストレーターだ。ノエチ役が小泉今日子。なっちゃんが小林聡美だ。
もう以前から大きな団地は夜は灯りがつかない空室も目立つし、昼に見かける住民は大半が高齢者だ。若者や子どもがいない巨大団地は寂しさが際だつ。
でもね、ノエチとなっちゃんは五五歳だけど、佐久間のオバちゃん(由紀さおり)からしたら、「二人とも小娘も同然」だ。
往復四時間かけて職場に通うノエチはストレスが溜まる一方である。
だけど団地に帰ると“小娘”だから、ちょっと嬉しいけど複雑な気分。ノエチは幸い両親(橋爪功、丘みつ子)も元気だけど、心と身体の疲れた日は、なっちゃんの家に直行する。料理上手のなっちゃんが作る野菜焼きや精進料理の美味しそうなことといったら。
夕食後に、二人してベランダで向かい合ってお茶を飲みながら、どうってことないお喋りに興じるその表情が良くて羨ましい。
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source : 週刊文春 2024年10月10日号