結婚に魅力を感じない女性が増えている。少子化の日本には問題だ。結婚評論家の曽野徹氏に聞いた。
――結婚すると自由がなくなるからイヤだという意見が多いのですが。
「その通り。事実、自由は貴重だ。歴史上、命をかけて自由を守った人もいた。だから結婚はもちろん、ルールで自由を奪うスポーツやゲームもやめ、道路の信号や標識も無視すべきだ。信号を無視して危険を感じたら、自由を守るために命を落とした偉人を思い出せ。もともと、われわれの自由は制限されている。眠らない自由はないし、食べない自由も呼吸しない自由もない。食べられる物も限られ、空も飛べず、指は5本しかない。慰めを求めてペットを飼うとさらに自由が奪われる。これだけ四方八方から自由が奪われているのだから、結婚して自由を奪われても大した違いはない。気にしないことだ」
――似た意見で、結婚すると何事も思い通りにならないという声もあります。
「その通り。相手がいるから思い通りにはならない。そうなるはずだが、どんな手を使うのか、女の中には何もかも思い通りに決め、夫をも思い通りに動かす者がいる。そんな妻は独善的になって幸福な生涯を送る。夫は自分を卑下しきっているから文句も言わず、人格を錬磨しているんだと自分に言い聞かせて、かろうじて心の安定を保っている」
――相手がどんな人間か分からないから結婚に慎重になる人もいます。人格破綻者かもしれませんし。
「その通り。欠点がない男を探すべきだ。ほとんどいないが。万一キリストのような完璧な人格者と結婚できたら、毎日軽蔑の目で見られ、憐れみや慈愛の目で見られるから、人格は向上する。そうすれば『人格が3割ほど破綻しているぐらいがいい』という堕落した考えを捨てられる」
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source : 週刊文春 2024年10月24日号