10月24日に行われたプロ野球のドラフト会議。最多の5球団が1位入札した明大・宗山塁内野手(21)は楽天が交渉権を獲得した。
抽選結果が発表された瞬間、宗山はガッツポーズはもちろん、プロ入りの喜びを表すこともなくほとんど無表情。そこでX(旧ツイッター)では中日の指名が決まった関大・金丸夢斗投手(21)と共に「金丸、宗山 かわいそう」というワードがトレンド入りしてしまった。もちろん「かわいそう」というのは、交渉権を獲得した球団にそれぞれ曰くがあるからだ。
今季限りで退団した立浪和義監督時代に“米騒動”を含めた様々なゴタゴタが表面化した中日。楽天も今シーズンは交流戦で優勝し、シーズン終盤までAクラス争いを演じた今江敏晃監督(41)をわずか1年で事実上、解任したことにファンが反発。今江監督だけでなく、これまでも短期間でコロコロと監督交代が繰り返されて方向性の見えない球団の交渉権獲得に「かわいそう」となった訳だ。
「散々の評判だった立浪監督を切って、井上一樹新監督(53)にシフトした中日はともかく、確かに楽天の監督人事は意味不明でした。球団も対パ・リーグの成績不振と、とってつけたような交代理由を挙げていますが、陰では田中将大投手(35)の起用を巡って三木谷浩史オーナー(59)の逆鱗に触れたのが原因という話も伝わってきています」(スポーツ紙デスク)
鶴の一声
念願の日米通算200勝にあと3勝と迫った田中だが、今季は開幕からコンディション不良で二軍暮らし。9月4日の二軍戦で好投し、本人も一軍昇格の手応えを感じていたようだが、それに今江監督がストップをかけ、フロントとも一悶着あったのだという。タニマチ気質の抜けない三木谷オーナーはシーズンオフに田中と会食するなど個人的な関係も深く、そのことで三木谷オーナーが“解任”を決めたという話だ。
後任の三木肇監督(47)も、実は1年での解任経験を持つ人物である。三木監督は2020年に一度、一軍監督に就任。しかし三木谷オーナーの鶴の一声で翌21年から石井一久GMの兼任監督就任が決まり、三木監督は1年で二軍配転となった。
「そのときも三木監督はケツを捲ることなく“降格”を受け入れ、黙々と二軍で若手の指導をしてきた。実は前回の監督就任も当時の平石洋介監督が三木谷オーナーの現場介入に反発して1年で解任となり、その後を受けてのことでした。今回は石井シニアディレクターのGM復帰が先に決まり、同GMがそうした三木監督の忠誠心の高さを評価した人事と言われています」(前出・スポーツ紙デスク)
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source : 週刊文春 2024年11月7日号