8月8日、ある女性が記者会見で声を震わせた。
「民主主義の根幹をなす選挙が、死者の冒涜に利用されることの異常さ、悪質さを私たちはもっと深刻に受け止めなければならないと思います」
女性の夫、竹内英明前兵庫県議は、斎藤元彦兵庫県知事(47)が出直し選挙に臨んだ昨年の知事選挙期間中、「知事を貶めた黒幕」として謂れなき誹謗中傷を受け、精神的に不安定になった末に県議を辞職し、今年1月に自ら命を絶った。

SNSやネット右翼などに詳しい評論家の古谷経衡氏が指摘する。
「兵庫県知事選で繰り広げられたのは、候補者の政策や主義主張に基づく議論ではなかった。むしろ、斎藤元彦知事を巡る陰謀論に近かった」
一見、荒唐無稽な根拠不明の言説、陰謀論。だが、刺激的な“真実”はSNSであっという間に人々に共有され、確実に社会を侵食しつつある。
陰謀論が現実を動かした時、何が起きるのか。人はなぜ陰謀論にハマってしまうのか――。本連載では、「陰謀論」の正体に迫る。第1回の舞台は、兵庫県である。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル
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