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もしも、ビートたけしが「共謀罪」で逮捕されるとしたら……

突飛なケースから考える、この法案の本質

2017/06/02

 こっそり言いますが、私はいまだに「共謀罪」のことがよくわからない。たぶん、金田法務大臣に負けてないと思う。

《「共謀罪」法案は、組織的犯罪集団が重大な犯罪を計画し、資金の調達や犯行現場の下見などといった準備行為を行った場合に処罰する内容。》(朝日新聞デジタル・5月19日)

東京新聞の解説を読んでもまだわからない「共謀罪」の対象

 新聞はこう説明してくれるのですが、まず「組織的犯罪集団」というのがよくわからない。

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東京新聞、4月4日の朝刊で展開された「40の疑問」

 例を挙げてみる。「『共謀罪』 40の疑問」(東京新聞)という4月4日の記事があった。これを読んでもうすぐ2か月が経とうとしている。しかし、

「何が組織的犯罪集団に該当するのか」

「正当活動団体で性質が一変したら組織的犯罪集団に当たるか」

 などの点は、今でもよくわからないのです。

 そんななか、さらにこんな説明が付け加えられた。

「政府は対象が組織的犯罪集団に限定されているとして『一般人は対象とならない』と強調したが、野党は組織的犯罪集団に当たるかどうかを判断するためには捜査が必要として、一般人も対象となり得ると反論した」(東京新聞・「『共謀罪』9つの論点 国会論戦と取材班の目」・5月23日)

 ますますややこしい。一般人て誰がどう判断するのか。そこに恣意的な判断や悪意は発生しないのだろうか。