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「蒙古タンメン中本」ガチ勢が幻の“限定ラーメン”を食べて結婚した話

「蒙古タンメン中本」ガチ勢が幻の“限定ラーメン”を食べて結婚した話

note

“偉い人の許可”が出るまで

 以下、限定が発売されるまでの大まかな流れになります。

(1)現場の調理スタッフが限定で販売したいラーメンを試作

(2)その店舗の全スタッフが一杯を食べる

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(3)皆が美味しいと思ったラーメンのみ合格

 ここでの合格は仮免許合格みたいな感じです。まだ商品化はされません。

(4)店舗で合格したラーメンを本社の偉い人が試食

 この試食で約半分が落とされます。ここで合格したとてまだです。

(5)味・食材・見た目などを再考

 おそらく偉い人からのダメ出しがあるのでしょう。

(6)ダメ出しを踏まえて、改めて試作。再び本社の偉い人が試食

(7)偉い人の許可が出れば限定の販売へ

「社長! 限定って、各店舗が遊び心で作ってるラーメンなんすよね?」なんて口を滑らせていたら、白根社長の愛車・三輪ハーレーで引きずり回されていたでしょう。

三輪ハーレーに乗った白根誠社長

 数々の難関を突破した限定メニュー、その中でも私が特に推す2点を今回は紹介します。

(1)中本なのに全く辛くない「塩スタミナラーメン」

塩スタミナラーメン

 ベースは塩タンメン。その上にお肉と大量の野菜が入った餡がズン!と乗っています。餡の中の溶き卵が優しい。ニンニクでスタミナを補充。優しさとスタミナのバランスが絶妙な一品です。

 途中、備え付けの紅生姜をスープに落として食べるのもおすすめです。

 

 老若男女が美味しくいただけるラーメンだと思います。

 私がはじめて塩スタミナラーメンを食べたのは数年前の秋津店でした。西武池袋線秋津駅を降りてウキウキしながら店へ到着するも大行列、40分以上は待つレベルでした(前日にTVで放送された影響も)。

秋津店

 しかも、その日は超真冬日。『撤退』の2文字が頭を過ぎります。が、一度中本を食べると決めた舌の決心たるや。心は駅の方向へ向いているのに、舌が地面にへばり付いて離れません。仕方なく作戦変更です『忍耐』。

 読みが甘かった。ラーメンが目の前に来たのは並んでから60分後。

 寒さのせいで全身ガチガチ、体力ゲージは限りなくゼロ。