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「あ~あ、人生やっちゃったね…」一流アイドルから会社員ライターに転身した大木亜希子が初対面の男性からかけられた“衝撃の言葉”

『博報堂生活総研のキラーデータで語るリアル平成史』より #1

2022/01/16
note

ライターは、普通に食っていける

 一方で、悔しいことに男の言葉も妙に尾を引く。

 果たしてライターという商売は、本当に儲からないのか?

 そして私は人生の選択を「やっちまった」のか?

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 その後ライターとして7年働き続けている経験から、結論を申し上げたい。

 ライターは、普通に食っていける。

 会社員ライターの場合は社会保障も手厚い(ことが多い)。

「儲かる・儲からない」の判断基準は人によるが、少なくとも真面目にやっていればなんとか暮らしていける。

 さらに言わせてもらえば、フリーランスライターになった現在も、自分ひとりの生活ならば豊かに暮らしていけるだけの額は稼いでいる。

 ただし、これはあの日「ライターになりたい」という夢を掲げ、実際にそこから会社員ライターとして3年働き、一度は頑張りすぎて精神的不調をきたし、勤めていた会社を退職し、貯金残高が3万円を切り、一旦バイト生活で暮らしを再建し、フリーランスライターとしてあらゆる媒体に営業をかけてから得た結果でもある。

 なので、食っていけるようになったのは実は最近だ。

 正直に言えば私も、それなりの安定性を手に入れるまで少し時間がかかってしまった。

 しかし、世の中、やりがいと安定性を一度に満たせるケースばかりではないだろう。

 だからこそ、食えるようになるまで時間がかかって良かったと思う。

 現在の私は、フリーランスライターという肩書で様々な企業と取引をしている。

 自由な働き方は気楽で楽しいが、「自分らしい働き方とは何か」と迷いを感じる瞬間もある。

 同世代の友人を見れば「会社員として決まった時間に出社し、決まった生活を送る」ことが性に合う人も多い。

 その一方で、「フリーランスで働くほうが、好きな人と好きな時間に好きなことができて体質に合う」という人もいる。

 私は声を大にして尋ねたい。

 皆、どのように人生の戦略を立てて生きているのだろうか?