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【追悼】「肥後さんは本当のお笑い好きで全部考えているんだ」上島竜兵さんが親友に明かした“ダチョウ倶楽部への愛”

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「当時、小さかった息子に気を遣ってブロックのおもちゃを買ってきてくれました。『ダチョウ倶楽部』のことも話してくれて、『肥後さんは本当のお笑い好きで全部考えているんだ』と話していましたね。仲間を大切に思っているんだなという印象を受けました。ようやくテレビにでられて、楽しくて仕方がないようでした」

 その後、上島さんのリアクション芸が見いだされ、1997年からは「志村けんのバカ殿様」(フジテレビ系・1986年)に出演するなど、芸人としての地位を確固たるものにしていった。後谷さんとは会わない日々が続いていたが、上島さんが自伝「これが俺の芸風だ‼―上島竜兵伝記&写真集―」(竹書房・2005年)を上梓する前に再会を果たした。

1993年、流行語大賞で「聞いてないよぉ~」が銀賞を獲得

「出版社から自伝本に協力してほしいと連絡を受け、神戸まで行って上島と写真を撮ったり取材をこなしたりしました。学生時代の話やくだらない下ネタで盛り上がったのですが、時間もあまりなかったので、自分との絡みが終わったらすぐに別れてしまいました。忙しい彼のことを考えると僕からも電話かけないほうがいいのかなと遠慮してしまって。だから、これが上島に会った最後になりました」

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 その後、後谷さんが東京を訪れた際に上島さんに連絡をしたことはあった。

「でも忙しそうで、あまり長くは話せませんでした。きっと東京での暮らしを大切にしていたんだと思います。私はテレビで上島を見ながら『憧れの芸能界に入って楽しくやってるんだな』と思っていただけに、今回の件に関しては不思議でならない。可愛がってくれた志村けんさんが亡くなって、コロナ禍で竜兵会もできなくなって、心のよりどころが減っていくのが辛かったのかな。上島の夢は役者だったから、“役者の美学”として『自分の名が輝いている時に亡くなる』という選択肢をとったのかなとまで考えてしまいます」

 

 上島さんが青年時代に夢を語り合った親友。上島さんは前述の「週刊文春」のインタビューで《後谷君だけには、東京で役者になると打ち明けました。「やった方がええよ」と本気で応援してくれて励みになりました》と語っている。

「こうなる前にもう一度会いたかった。自分は酒飲めないからコーラで付き合って、『上島龍平』とまた語り合いたかったです」

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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前9時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)

 

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