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連載サウナ人生、波乱万蒸。

ぎょうざ屋のカウンターの奥に脱衣所が サウナ→街中華→鴨川が京都の天国だった

ぎょうざ屋のカウンターの奥に脱衣所が サウナ→街中華→鴨川が京都の天国だった

日本サ飯紀行 京都編#1

2022/05/31
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サウナ室

 浴室はすべて石造りのかなり贅沢な造り。はやる気持ちを抑え、ゆっくりとカランで体を清めてから、満を持してサウナ室へ。中は最大4人という狭い作りながらも、中央には高出力のIKIストーブが鎮座し、それをベンチが囲んでいる。ひとたびロウリュをすれば大量の蒸気が発生し、湿度の高い気持ちの良い空間に。

 温度の高さよりも、柔らかな蒸され方をする通好みのサウナ室。天井を見上げるとそこもまた石造り、かつ低くアーチ型になっている。これは、蒸気のまわりも非常にまろやかなはずだ。オーナーのサウナへの愛がビンビンに伝わってくる。

水風呂にはサウナー垂涎のあのボタン?

 水風呂はサウナ室を出てすぐ横という好動線。入ると深さも100センチくらいあり、水温も13度と理想的なセッティング。ぼーっと上を見れば何やらボタンがある。ボタンを押すと脳天に水が直撃する。これは! 熊本の湯らっくすにある、人工的に冷水を頭に直撃させることでととのいへと誘う究極の装置、MADMAXボタンではないか!

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 と思ったのは一瞬、水流はそれほど強くなく、これは新手のサウナを使ったボケなのか…。だとするとオーナーはかなりの変態なのではないかと思いながら横の露天スペースへ。そこは狭いながらも京都の空が望める心地よい場所。ととのい椅子に露天風呂があり、風呂には微妙な傾斜がつき浴槽の淵に頭をもたせると異常なリラックス効果。ととのい椅子にすわり恍惚とした後ふと我に返って横を見ると、小さな窓口とインターホンを発見。

インターホンと外気スペース

 ここで飲食も可能のようだ。インターホンでオーダーをし、少しするとドリフの演出かのような唐突さで壁が急に開き飲み物が供される。最高の露天風呂でオロポを飲む。至福のひととき。この時点で餃子屋を通り抜けてきたということは、記憶の遥か彼方に追いやられている。

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