文春オンライン

《10年で16%拡大、122万部突破》万年赤字の老舗名門誌「ザ・ニューヨーカー」はなぜ“DXの成功例”となりえたか

2022/09/11
note

編集長自ら音声番組を配信

「紙の時代は週12本の記事、マンガ、表紙。それがニューヨーカーのすべてだった。品質、厳密さ、正確さをそのままに、毎日ネットで記事を提供すると読者を説得する必要があった。今もまだ発展途上だ」とレムニックは言う。

 しかし読者の説得以上に難しかったのは、書き手の意識を変えることだった。

「当初は誰もがインターネットを安っぽいものだと思っていた。ちゃちゃっと15分で書き上げるような、ふまじめなコンテンツを載せるところだ、と。その真逆をいくためにニューヨーカーに集まっていたライターたちに、ネットやテクノロジーを真剣に受け止め、読者がいる場所へ出ていく必要があることを理解してもらうのが大変だった」

ADVERTISEMENT

 そこでレムニックは率先垂範した。編集長業務の傍ら、電子版に積極的に記事を書いたのだ。「みんなにウェブに記事を書いてほしいと伝えるロールモデルになろうとしている」。自ら司会を務めるポッドキャストの番組「ニューヨーカーラジオアワー」もあり、毎週配信している。編集長自ら司会を務めるのは、ポッドキャストへのニューヨーカーの本気度を示す意味もあるのだろう。

「ニューヨーカー」は無料ポッドキャスト番組で新規読者を獲得している

「今では紙の雑誌に載っていない記事は存在しないも同然、という認識は薄れつつある。ほとんどのライターが『デジタル化は必然』という現実を受け入れているようだ」

土方奈美氏による「『ザ・ニューヨーカー』、DXで稼ぐ」全文は、月刊「文藝春秋」2022年10月号と「文藝春秋 電子版」に掲載しています

文藝春秋

この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
「ザ・ニューヨーカー」DXで稼ぐ  
《10年で16%拡大、122万部突破》万年赤字の老舗名門誌「ザ・ニューヨーカー」はなぜ“DXの成功例”となりえたか

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文藝春秋をフォロー