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「伊東や三笘の個の能力に頼るしかない」城彰二がカナダ戦で感じた森保ジャパン“最大の問題点”とは?

城彰二が見るカタールW杯とサッカー日本代表 #1

2022/11/21
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 前半は0-0がマスト。ドイツに先制されると、今の日本はそれをひっくり返すのはもちろん、追いつくのも難しい。だから、先制点を与えず、とにかく前半0-0で粘る。後半15分過ぎまで失点せずにいき、そこから仕掛けられるチャンスがあれば、仕掛けていく。そこで勝負がどう転ぶか。

――そこで重要になってくるのは、5名の交代ですね。

 森保監督がここで一発、この選手を入れて流れを変えていこうとか、そういう交代カードの切り方ができるかどうか、ですね。でも、これまでいろんな試合で森保監督の戦い方を見てきたけど、そういうのをやってきていない。この時間帯になったから交代というパターンがほとんど。

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 ゲームの流れを読んで、ここが勝負どころだと感じて、2、3人を一気に代えて、システムも変えて、思い切って点取りにいくぞっていうのがない。人間的にはいい人なんですけど、勝負師ではないので、采配が不安。でも、それも本番まで取っているとしたら、ある意味すごいんですけど……。

森保監督はW杯本番でどのような采配を見せるのか ©JMPA

ドイツ戦の予想スコアは…

――ドイツ戦の結果は、どう想像していますか。

 0-0で行き、勝ち点1が取れれば万々歳ですね。ただ、ドイツは前回のロシアW杯で初戦のメキシコに敗れ、グループリーグ敗退という惨敗を喫した。同じことを繰り返すことは国民が許さないし、選手もそう思っているはず。初戦は相当に締めてくると思うので、日本は0-1で敗れると思います。

 でも、ドイツに敗れてもいい。つづくコスタリカ戦も難しい試合になるけど、最後のスペイン戦は、それまでの結果次第だけど、日本が勝てる可能性は十分にある。俺は、最終的には1勝1分1敗で2位抜け出来ると思っています。でも、グループリーグ敗退になると、日本サッカー界は大変なことになる。

――今回のカタールW杯の結果が日本サッカー界に及ぼす影響が極めて大きい。

 非常に大きいですね。グループリーグで終わってしまうと、「ダメじゃん日本代表」となり、サッカー人気は相当なダメージを受けると思います。実際、イヤな雰囲気はすでに漂っている。大会が始まる前の今も「これからW杯なの?」という人が多いし、自分の肌感覚としても今までで一番盛り上がっていない。

 今の代表を支えてくれているのは熱狂的なサッカーファンだけど、早々に負けるとそういう人たちが離れていく可能性がある。そうなると日本サッカー界は、暗黒の時代になってしまう。今回のW杯は、これからの日本サッカーの今後を占うすごく重要な大会になる。そのためにもぜひ結果を出してほしいと思います。

©JMPA

(取材・文=佐藤俊)

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