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「体内に侵入して宿主の舌になりかわり…」生き物図鑑の著者が語る、“寿司にそっくりな新ポケモン”の恐ろしすぎる元ネタ

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生きものオタクが楽しむ『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』

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 だが今回、筆者が選んだのは水タイプの「クワッス」である。「こがもポケモン」と明記された初の「御三家カモ」であり、日頃から水辺でカモを眺めまくってる鳥オタクとしては選ばずにいられなかった。

クワッス 『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』公式サイトより

 鳥ポケモンの御三家は数こそ少ない(現時点で4匹)が、ひよこのアチャモ、ペンギンのポッチャマ、フクロウのモクローと、みな現役バリバリな人気者だ。そんな分厚い「鳥御三家」のメンバーに、愛するカモがクワわったことを祝福したい。

著者が愛するカモの魅力を広めようと描いた「カモ見」図解 著者Twitterより

 ちなみにワニ(ホゲータ)とネコ(ニャオハ)は御三家への登場が2回めとなる生きものだ。ワニはポケモン「金銀」のワニノコがいるし、ネコは「サン&ムーン」のニャビーが記憶に新しい。

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 さらに言うとサル(ヒコザル・サルノリ)とカメ(ゼニガメ・ナエトル)とカエル(フシギダネ・ケロマツ)も御三家に2回ずつ抜擢された。膨大な数の生きものからバランス良く厳選していると思いきや、意外とチョイスが偏っていて面白い。

 その一方で、意外にも御三家に一度も登場していない超メジャーな生きものがいる。それは犬だ。人間のパートナーとして真っ先に思いつくはずの犬が一度も「御三家入り」していないのはポケモン七不思議のひとつである(強いて言えばフォッコがキツネなのでイヌ科だけど)。

 とはいえ犬ポケモン自体は数多い。それどころか特に本作ポケモンSVでは、新しい犬ポケモンが3種も登場する“犬”盤振る舞いを見せる。

 ブリアード犬に似た幽霊犬「ボチ」、モチモチ子犬「パピモッチ」、オラついたマスティフ犬「オラチフ」が新顔となる。イワンコ、ガーディなど過去作の犬ポケモンも数多く、簡単に犬パーティが組めるという犬好き歓喜な“犬祭り”っぷりだ。

ボチ 『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』公式サイトより
ブリアード犬 ©iStock.com

目指せ「とりつかい」! エンジョイ“鳥祭り”

 犬祭りも楽しいが、先述したように御三家から「クワッス」を選んだ鳥オタクの筆者は「鳥パーティ」を組んでやるぜ!と思い立った。でもそう都合よく鳥が集まるかな?と心配したのも束の間、蓋を開ければ速攻で鳥パーティが完成。ポケモンSVは野鳥の会もびっくりの「鳥祭り」でもあったのだ。

 まず、序盤でいきなりフラミンゴのポケモン「カラミンゴ」が登場する。誰もが知ってる鳥でありながら初のポケモン化となる(今回は他にもバッタやイルカが初登場となり、有名どころが意外とポケモン化されていなかったのも興味深い)。

 このカラミンゴ、ほぼフラミンゴそのまんまなデザインと思いきや、バルーンアートを思わせる丸っこい質感、特殊な形状のくちばしの的確なデフォルメなど、キャラ化の過程で細やかな手腕が光る。ファンシーな見た目によらず「ひこう/かくとう」タイプのパワー型であり、旅の頼れる相棒になるだろう。

コシジロウミツバメ ©iStock.com

 個人的に最推しの新たな鳥ポケモン「カイデン」は、「うみつばめポケモン」の分類通り「ウミツバメ」がモチーフだ。ウミツバメはミズナギドリ目の鳥類で、日本で身近なツバメとは全く異なる仲間となる。海の上を水面ぎりぎりで飛びながら、魚や小動物をとって生きる鳥だ。風力発電を連想させるカイデンの能力もなかなか現代っぽくて面白い。

 そんなカイデンの進化後は「グンカンドリ」をモチーフにしたイケメン鳥「タイカイデン」となる。グンカンドリは大きな翼で海上を旋回し、羽ばたかずに長距離を飛ぶことができる雄大な鳥だ。グンカンドリ特有の喉袋をふくらませるアクションも、タイカイデンが電気技を放つ時にしっかり再現してくれる。