文春オンライン

「世界のミトマ」になるのはまだ早い? 城彰二が指摘する“絶好調”三笘薫25歳の課題「香川真司を超える可能性もあるが…」

2023/02/18
note

三笘の凄さはドリブルを軸とした攻撃力

――こうしたプレーを含めて、三笘選手の凄さは、どういう点にあると思いますか。

 ドリブルを軸とした攻撃力だと思いますが、彼のドリブルは、ネイマールもそうなんですけど、相手との間合いの取り方とか、ボールの運び方がすごくフットサルっぽいんです。普通、ドリブルは体の中心か、ちょっと前にボールを置いて先行させていくケースが多いんですけど、彼は後ろ足というか、うしろに重心を置いてドリブルしているので、なかなか奪えないんです。

 ドリブルデザイナーの岡部(将和)さんからアドバイスもらったりしているようだけど、本当に独特です。そのドリブルを成功させるために、相手との間合いやファーストコントロールをすごく気にしているんですが、前に行けないと思うと無理をしないですし、パスも出せます。そうした攻撃における懐の深さ、バリエーション豊富なところが三笘の良さであり、凄さでしょうね。

ADVERTISEMENT

独特なドリブルで敵を抜き去るのが特徴 ©JMPA

さらなる飛躍のために克服すべき3つの課題

――逆に、今後、さらに飛躍するための課題はありますか。

 もっと周囲をうまく使うこと、守備、スタミナですね。代表でもブライトンでもそうですけど、周囲とうまく連携して打開していくとか、周囲をうまく活かすことがまだ足りないと思います。試合を見ていても、周囲と噛み合わない時がわりとあります。守備は、今のサッカーには必要な要素。FWからアプロ―チをしていく時代ですし、そこは森保監督も求めているところでしょう。

 スタミナはカタールW杯のように強豪相手だと押し込まれて、かなりディフェンスに下がらざるをえない。でも、ボールを奪った瞬間、一気にゴール前まで走り出して行くことが何度も要求されるからかなりのスタミナが要求される。今の状態だと90分は持たないんじゃないかなと思うので、そこは試合に出続けて得ていくしかないです。

第2次森保ジャパンではスタメンに名を連ねるかどうか注目だ ©JMPA

――それらを克服していかないと日本代表のスタメンにはなれない。

 森保監督が、彼をどういう風に使っていくのか、まだ分からないからなんとも言えないですけど。ただ、三笘自身はスーパーサブではイヤだと思っているはずなので、そのためには自分の武器を磨きつつ、ウィークポイントを克服していく必要があると思います。

 あとは、ケガだけには注意してほしいですね。ケガしないようにといってもなかなか難しいけど、活躍していると狙われることもあると思うので……。調子が上がっている途中でケガをしてダメになっていく選手がいっぱいいますから。