カタールW杯をベスト16で終えたサッカー日本代表。ドイツ、スペインと強豪を撃破してグループステージ1位突破の快挙を成し遂げたが、目標としていたベスト8には届かなかった。
元日本代表FWで、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、カタールW杯での日本代表の戦いぶりをどう評価するのか。そして、4年後のW杯に向けて改善すべき点をどのように捉えているのか、話を聞いた。
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カタールW杯の森保ジャパンは50点
――カタールW杯、4試合を戦った森保ジャパンの評価を採点するとどうなりますか。
城彰二(以下、城) 50点ですね。ドイツ、スペインに勝ってグループステージを首位で突破したのは、まぎれもなくすごいことですし、本当に歴史的なこと。でも、森保ジャパンの目標は何だったのかというと、ベスト8ですよね。結局、ベスト16で敗退し、目標を達成できなかったことについては大きなマイナスです。
――日本では森保ジャパンの歓迎ムードが高まっています。
城 世間的には、ドイツ、スペインに勝ったからOKみたいな感じになっている。けど、日本は過去にもベスト16まで行ったことがあるんです。森保監督はその上を目指すと公言していたけど、それを成し遂げることができなかった。目標を達成できていないことに関しては、もっと厳しい視線を向けていくべきだと思いますけどね。
――日本の今後の課題として、攻撃面での構築をあげる選手が多かったです。
城 森保監督は、攻撃をどう考えていたんでしょうね。三笘(薫)や伊東(純也)ら個の能力だけで勝負させようとしていて、W杯では2人、3人が連動して動いたり、ダイレクトプレーで数人が絡んだりする攻撃がほぼなかったんです。そうすると、個の能力で勝てなくなったら、それで終わりになってしまう。試合を見る限り、攻撃面はかなり物足りないですし、うまくいっていなかったと思います。
ドイツ戦、スペイン戦の采配は評価できるが…
――森保監督の采配については、どう考えていますか。
城 ドイツ戦、スペイン戦は、前半耐え抜いて、後半にメンバーとシステムを変えたのがハマって結果を出せた。それは評価できる部分だと思います。でも、それだけですよね。
コスタリカ戦とクロアチア戦は、同じ感じでやろうとして、それがハマらなかった。一度うまくいった戦術を順番に繰り出していくみたいな感じで、状況を見ながらどのような選手と戦術が必要か判断し、手を打ったという感じではない。
森保監督はW杯最終予選の時から、疲れてきた選手を入れ替えて終わりみたいな選手交代がすごく多かったんです。あらかじめ決まった手段を出していく。それがたまたま当たる感じで、そこから先がないんですよ。だから今回も、最後は残念な結果に終わってしまったと思います。