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「森保監督でW杯ベスト8は無理」「続投はおかしい」城彰二が提言する“森保ジャパン限界説”と、次期監督に推す“3人の名将”

城彰二が見るカタールW杯とサッカー日本代表 #6

2022/12/13
note

――森保監督個人の評価はどう考えていますか。

 正直、全然評価していません。東京五輪世代を起用し、選手は経験を積めた。そしてドイツ、スペインにも勝った。けど、監督としてはどうなのでしょう。

 W杯前はベスト8に行って新しい景色を見ようと言っていました。でも、ドイツ、スペインに勝ったことで新しい景色を見られたみたいなことを言い始めましたよね。それは違うと思うんですよ。その2試合は、戦術がハマったし、選手もがんばったので、結果を出せたことはよかった。ただ、何度も言いますが、本当の目標が何だったのかを忘れてはいけない。

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 森保監督は、東京五輪でも金メダルを目標にしていましたが、メダルには届かなかった。東京五輪と同様に今大会も結果を残していない。最終目標を達成できていないので評価できないと考えるのが妥当だと思います。

森保一監督 ©JMPA

カタールW杯での戦いと采配をきちんと検証するべき

――その森保監督に代表監督続投の話が出ています。

 カタールW杯での日本の戦いや森保監督の采配などがきちんと検証されていないなか、そういう話が出てくるのはおかしな話ですし、個人的には反対です。ドイツ、スペインに勝ったから良しとするのでは今後も何も変わらない。

 日本がベスト8に行くためには何が必要なのか。森保監督のサッカーは、今回結果を出したドイツ戦、スペイン戦に見られるようにリアクションサッカーです。サッカーであれだけ守備を固めて戦えば、簡単には失点しない。でも、W杯ではベスト16で終わった。その先を考えると、もっと攻撃的に行く必要があるし、ベスト8以上の経験も必要になってくる。そこに対して森保監督の能力を考えると、もういっぱいいっぱいだと思います。

森保ジャパンの攻撃をけん引した伊東純也 ©JMPA

――森保監督では、ベスト8は難しい。

 今の森保監督とスタッフの力では無理だと思います。コーチは、世界を経験していないんですよ。百歩譲って森保監督を続投させるなら、コーチやアドバイザーに経験値の高い優秀な外国人を入れないとダメでしょう。彼らの力を借りてチーム作りをしていかないと、この先、さらに上へステップアップするのは難しいと思います。

――次の監督は、どういうタイプが理想として挙げられますか。

 しっかりとアクションを起こし、攻撃の構築ができる監督が理想でしょう。本当に良い人がいたら4年間ではなく、8年間を任せるぐらいの感じでもいいと思います。

 日本は4年周期で監督が代わり、その都度、スタイルが変わるのでいまだに「日本のサッカー」が確立されていないですし、選手も対応の変化を求められて大変です。時間をかけてみっちり攻守を作り上げていけば、リアクションサッカーだけに頼る戦いはなくなる。そこで初めてベスト8が見えてくると思います。