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「ジャニーさんにスッとブリーフを脱がされ…」当時は中学3年生、元ジャニーズJr.が回顧する「おぞましい夜の記憶」

『ユー。ジャニーズの性加害を告発して』#3

source : ノンフィクション出版

genre : ニュース, 社会, 芸能, テレビ・ラジオ, 音楽

note

 ジャニーさんに肩を揉まれたとき、ほかのジュニアがいきなり「うわっ」って声を出したからだ。僕は意味がまったく分からなくて、あとで「何が『うわっ』なの?」と聞いたら、

「いや……肩揉まれてたねぇ。あぁ……ま、でも頑張れ」

 と言われた。

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 それで、何かある、何か乗り越えないといけないものがある、ということはわかったけど、「何かの試験があるのかな」ぐらいのイメージで、特に怖くはなかった。だって、ほかのジュニアたちもみんな乗り越えられたということだから。

 その日は何もなかった。それは僕が夜中ずっとお母さんと長電話していたからだと思うけれど。

 その後、ちょっと心配になって、インターネットで自分でも調べてみた。そうすると、「ジャニーさんがジュニアを襲っている」という噂話が出てきた。確かにジャニーさんには、ちょっと不気味な印象もあった。でも具体的にどの程度の行為なのかがよく分からなかった。

 少し触るだけなのか、セクハラレベルなのか、それとも、レイプぐらい酷いものなのか。僕には同性愛の経験もないし、いまいちイメージが湧かなかった。だから最初は半信半疑の状態ではあった。

初めて襲われた夜の記憶

 2012年3月、ジャニーズに入って割とすぐのことだった。

 東京での仕事を終えて、ほかのジュニアたちと一緒にジャニーさんの家に行って、泊まることになった。

 家に行くのは、外でご飯を食べてからのときもあるし、家で出前を取るときもある。着くのはだいたい8時とか9時頃。収録などの仕事を終えたあとだと、やはりそのぐらいの時間にはなってしまう。

ジャニーズJr.たちが宿泊時に使っていたベッド ©JMPA

 ジャニーさんは家ではだいたい、電話していたり、新聞やテレビを見ていたり、僕らと喋ったり。でも基本的には口数が少ない人なので、そこにいるだけという感じ。自分の部屋にいることも多いし、なんなら仕事で留守にしていることもある。実はジャニーさんがいない方が、学校みたいな感じで、皆で遊べて楽しいのだけど。

 当時はもう80歳を超えていたので、体力的なこともあったのかもしれない。寝るのも早かった。ベッドではなく、ソファで10時とか11時には寝てしまう。でも眠りが浅いのか、夜中には起き出して活動を始める。そして、また2時に寝たりするのだった。

 この日は、リビングでほかのジュニアたちと出前の夕食を食べていた。