……というわけで、「いかに少ない材料と手間で、いかにウマイものを作るか」を、極限まで突き詰めたのが、この本です。
中には、「これ、料理って呼んでいいの?」っていうものもあるかもしれません。でも華やかなだけが料理じゃないです。
加えて、とても大事なことが1つ。
虚無レシピは、食材や工程をギリギリまで削ぎ落とした究極の「引き算レシピ」です。逆に言えば、何を足してもアレンジ自在ということ。見た目は全然映えません。
でも、味はまったく虚無ではないのでご安心を。ぶっちゃけ、俺(あ、俺じゃなくて酔っ払いの料理研究家)が出している「至高シリーズ」よりウマいかも、と思うものもあります。
これは「現代の錬金術」であり「究極のサバイバル飯」でもあります。
「日清スパ王」の味を再現したらウマすぎた
今の若い人たちは知らないかもしれませんが、かつて「カネはないけどウマいものを食いたい」という俺のような若者たちの胃袋を満たしていた伝説の食品がありました。
それが「日清スパ王」です。残念ながら2016年に販売終了となり、ネット上では未だに復活を望む声も根強くあります。当時スパ王にガチハマりしていた俺もその1人です。(※スパ王の冷凍食品バージョンは販売されています)
だったら自分で味を再現しちゃえばいいんじゃね? ということで考案したのが、書籍「虚無レシピ」にも掲載した「虚無明太子パスタ」です。
明太子は冷蔵庫の中で余りがちな食材です。ちょっと余った明太子で作れるのがこのレシピ。包丁も火も使わないのに死ぬほど美味いのが特徴です。明太子の代わりにたらこで作れば「虚無たらこパスタ」になります。
電子レンジで作るのでパスタは1.4mmのものがおすすめです。調味料に使うオイスターソースは、同じ魚介の旨味があるので明太子とすごく相性がいいです。マヨネーズはピュアセレクトがおすすめ。
洗い物を減らすために、塩→オイスターソースの順で
レンジで使える耐熱容器に、水270ccとパスタ100gを入れます。パスタは容器におさまるように半分に折って入れます。100gを一気には折りづらいので半量ずつに分けて折ります。