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iPhone15で独自端子がついに廃止…「USB-CがiPhone14までは採用されなくてよかった」理由とは?

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genre : ビジネス, テクノロジー, 商品, ライフスタイル

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付属ケーブルでは『iPhone 15 Pro』の実力を引き出せない

また、USB-C採用によってもっとも大きな性能向上が見込める通信速度の向上についても注意が必要だ。今回、ハイエンドの『iPhone 15 Pro』および『iPhone 15 Pro Max』は、これまでの20倍にもなる最大10Gbpsでの高速データ通信が可能になったのだが、この恩恵を受けるには別売の高速データ通信対応ケーブルを購入する必要がある。付属のケーブルでは、見た目は同じでも従来通り最大480Mbpsでの通信しか行えないことを覚えておいてほしい(スタンダードな『iPhone 15』はそもそも高速データ通信に対応していないため、付属ケーブルで問題ない)。

なお、USB-Cケーブルは先にも述べたように、USBの仕様が「複雑怪奇」な発展を遂げた結果、見た目は同じでも性能の異なるケーブルが存在するという困った状況になってしまっている。何Wまでの充電に対応するか、どこまでの通信速度に対応するかが見た目からパッと識別できないのだ。

ざっくり言うと高性能なケーブルほど太く、硬く、取り回しが悪くなるため、自分の利用スタイルに合ったケーブルを選ぶようにしたい。高速データ通信対応ケーブルは太く、高価なので、撮影した4K動画をPCへ大量に取り込むといった用途がないのであれば、低速なケーブルで十分だろう。『iPhone 15 Pro』に高速データ通信対応ケーブルが付属しないのもそのためだ。最も安いモデルでも15万円以上するのだから両方付けてくれても罰は当たらないと思わなくもないのだが……。

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2023年のUSB-C移行はベストタイミングだったのかも?

そして、もう一つ、USB-C対応によってiPhoneが「リバース充電」に対応したことも紹介しておきたい。これは、従来とは逆にiPhoneからさまざまな周辺機器に電力を供給できるようにするという新機能。これにより、出先で『AirPods Pro』や『Apple Watch』などを充電できるようになるという。詳細な対応機器などは現時点ではまだ不明だが、iPhoneをモバイルバッテリー的に使えるのは便利そうだ。