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ジャニー氏の痕跡を、この世から一切なくせば解決するのか? “戦後最悪”の性加害事件を風化させない“たった1つの方法”

2023/10/17
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 地下鉄の乃木坂駅から地上に出ると、オフィスビルが目に入る。一見ごく普通のビルで、かつて、その外壁に、Johnny & Associatesという看板があった。それが今月初め、撤去された。

 設立から半世紀、日本でトップのエンターテインメント企業であるジャニーズ事務所、それが、あっけなく崩壊した証だ。引き金は、言うまでもなく、創業者ジャニー喜多川氏の性加害だった。

ジャニー喜多川氏

 事務所に所属する少年を、自宅に泊め、性的行為を繰り返してきた。被害者は、少なくとも数百人に上り、うつ病にかかり、自殺願望を抱いた者もいる。“戦後最悪”とされる性加害は、海外でも大きく報じられた。だが、これを、単なる芸能ニュースと片付けるのは間違っている。

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 そもそも、一体何が、これだけの被害を生んだか。それが、なぜ、これほど長い間、放置、隠蔽されてきたのか。

 それについて、元V6メンバーで、ジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦氏は、“得体の知れない空気”と語った。

「『それ、ちょっとおかしいんじゃないか』『噂、聞いたぞ』っていうようなことが言えなかったのは、本当に、今となっては後悔しております」

「言い訳になるかもしれませんけども、何だか得体の知れない、それには触れてはいけない空気というのはありました」

 ジャニーズ事務所前社長の藤島ジュリー景子氏は、社内の意思決定を、こう述べている。

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