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カードはプレミア化、グッズは大人気! その一方で…『ポケットモンスター』の「ゲーム」が盛り下がっている“残念すぎる理由”

カードはプレミア化、グッズは大人気! その一方で…『ポケットモンスター』の「ゲーム」が盛り下がっている“残念すぎる理由”

2023/10/27
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『ポケットモンスター』シリーズは1996年に発売されたゲームシリーズから人気を誇り、いまも大人気のキャラクターコンテンツとして輝いている。

 現在はトレーディングカードゲーム「ポケモンカードゲーム」の人気が過熱しすぎているくらいだし、各地のグッズショップには外国人が多数押し寄せている。TVアニメや映画といったコンテンツもしっかり続いているわけだ。

 今も昔も人気のポケモンなわけだが、しかし現在このコンテンツに影が射している部分がある。それはビデオゲーム(テレビゲーム)としてのポケモンである。

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映画『名探偵ピカチュウ』。画像は映画『名探偵ピカチュウ』公式サイトより

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簡素な作りになっている『帰ってきた 名探偵ピカチュウ』

 2023年10月、Nintendo Switchで『帰ってきた 名探偵ピカチュウ』が発売された。本作は2016年にニンテンドー3DSで発売された『名探偵ピカチュウ ~新コンビ誕生~』の続編である(2018年には追加要素ありのパッケージ版も出ている)。

ゲーム『帰ってきた 名探偵ピカチュウ』。画像は任天堂公式サイトより

 2019年には実写映画『名探偵ピカチュウ』が公開されており、映画化で盛り上がっているシリーズ作品といえよう。ゆえに筆者も期待していたのだが、実際に遊んだところ「もはや映画に完全に負けてしまっている」ように見えてしまった。

『帰ってきた 名探偵ピカチュウ』は、主人公のティムが相棒のピカチュウとともに街で起こる事件を解決するアドベンチャーゲームである。

 ゲームシステムはかなりシンプルで、街の人から話を聞いたり、証拠になりそうなものを調べると物語が進展するような内容だ。推理もわかりやすく、ほとんどのプレイヤーに状況を理解させたうえで、少ない選択肢から選ばせるという簡素な作りになっている。

ゲーム『帰ってきた 名探偵ピカチュウ』。画像は任天堂公式サイトより

 やはりポケモンだけあって低年齢層を意識しているのか、ストーリーもわかりやすさを重視している。これは子供向けといえば理解できるが、大人も喜ぶ子供向けタイトルがあることを考えるとベストではないし、そもそも探偵・推理ものとしての刺激は一切ない。