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「頭のカタい上司を説得するより自分ひとりで始めたほうが楽…」27歳で脱サラして映画配給会社を立ち上げた女性の“意外な野望”〈ウーマン・オブ・ザ・イヤー受賞〉

粉川なつみ インタビュー #2

2023/11/29

genre : ライフ, 社会

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「妊娠したら席がないと思え」という言葉も

粉川 業界関係者が「女性は基本的に採用したくない」とおっしゃっているのを聞いたことがあります。「妊娠したら席がないと思え」といった言葉もありましたね。それは飲み会での発言だったので、「そのくらいの気持ちで働きなさい」という意図を強調しただけだと理解していますが、それでも一女性としては「うっ……」と思う部分がありました。

©文藝春秋

 そういったこともあって、一生映画業界で雇われの身では生きていけないのかなと思い、独立志向を持ちはじめたのかもしれません。私はすぐ子どもが欲しいわけではないですし、今のところ結婚する予定もないんですが、いずれは子どもや結婚を、という気持ちもあるので、そう考えたときに厳しい業界だなと感じていました。

 それもあって、立ち上げた会社には「Elles Films」という名前をつけたんです。「Elles」はフランス語で「彼女たち」という意味なんですが、女性にやさしい会社でありたいという思いをこめました。「女性たちの映画会社」というニュアンスですね。

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 もし今後、私のように映画業界の体制に不安を感じたり、妊娠や出産で業界にいづらくなってしまったりした方がいたら、うちの会社で引き続き映画の仕事を楽しくやってもらえたらいいなと思っています。

 業界全体を変えるには大きな力と時間が必要ですが、悪い部分は少しずつでも変えていきたいですね。そのためにはどんどん会社を大きくして安定させていかなくてはいけないので……がんばります!

「頭のカタい上司を説得するより自分ひとりで始めたほうが楽…」27歳で脱サラして映画配給会社を立ち上げた女性の“意外な野望”〈ウーマン・オブ・ザ・イヤー受賞〉

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