「本を読むことで、普段の生活をしているだけでは見えない世界、景色を見ることができる、そういう体験が面白かった」とも話していますが、同様に小学校4年生の頃から本格的に読み始めたという新聞に関しても、「自分の身の回りだけじゃなく、世の中でどういう変化が起きているのかを知っておきたい」という思いから毎日、新聞に目を通しているといいます。
今の時代、必要な情報はネットで手に入るからと、本や新聞を読まない人も増えていますが、藤井自身は「ネットだと、知りたい情報は手に入りますけど、ピンポイントになってしまう」からと本や新聞、さらにはあえて紙の辞書を使うこともあります。特に新聞や紙の辞書は関心のあるところを読み、調べている時に、周辺の情報や言葉も目に入ることで視野を広げる一助となっているようです。
但し、自分に関する情報だけは決して読もうとはしないというところに独特のこだわりがあるようです。そして独特の語彙力への注目に関しては、「そういうところからでも少しでも将棋に興味を持ってもらえればうれしいです」と前向きに捉えています。
★ワンポイント 専門バカになるな、幅広い視野を持て。
母親が大事にした聡太の新幹線での「ひとり時間」
藤井聡太の名言
(原動力は)やはり、『将棋が好き』ということだと思います。幼い頃からずっと好きで自然にやってきた感じです。将棋を指したくないとか、駒に触れたくないなどと思ったことはないです。
(『考えて、考えて、考える』丹羽宇一郎・藤井聡太著、講談社)
藤井聡太は5歳で将棋を始め、以来、数々の史上最年少記録を更新し、今や8冠を獲得と、若くして将棋界のトップに立ったわけですが、なぜこれほどの短期間でこれほどの偉業を成し遂げることができたのでしょうか。
「その原動力は何だと思いますか」と聞かれ、こう答えています。
「やはり、『将棋が好き』ということだと思います。幼い頃からずっと好きで自然にやってきた感じです。将棋を指したくないとか、駒に触れたくないなどと思ったことはないです」