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「また拝見させて」→「まら拝見」、「叡智がすごい」→「Hがすごい」、「梅祭」→「埋め祭」…辛酸なめ子の“誤変換・入力ミス事件簿2023”

source : 提携メディア

genre : ライフ, ライフスタイル, テクノロジー

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スマホ・PCでの思わぬ誤変換やタイプミスで意味不明な文を送信してしまうことがある。コラムニストの辛酸なめ子さんは「『変換』は便利なテクノロジーですが、誤変換で人生が狂い、人間関係が破綻しかねない事態にもなります。AI進化により誤変換が人類の思考に影響を与える流れが加速しそうです」という。辛酸さんが数年前から2023年までに個人的に収集した誤変換・入力ミスの事例を紹介しよう――。

イラスト=辛酸なめ子

思わず笑ってしまう、戦慄してしまう誤変換・入力ミス

スマホに頼りすぎる毎日、気付いたら誤変換のまま送信しそうになることがよくあります。誤変換にはいくつか原因があり、一つ目は自分自身のミス。加齢により目が悪くなるに従って、誤変換のまま気付かず、意味不明な文字を送ってしまうことがあります。

先日も、誤変換というか手が滑って、仕事関係の知人に「また拝見させてください」と送ったつもりが「まら拝見させてください」と書いていたことに気付いて赤面。あられもない要求が来たと思われたのか、それ以来知人とは音信が途絶えてしまいました。

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このようなケアレスミスをしないために、送信前に一度気持ちを落ち着けて再確認するのが必要です。自分の間違いは恥ずかしいですが、友人知人の誤変換や誤字は日常にちょっとした笑いをもたらしてくれます。先日も、年上の女友達が「福袋」を「腹部」と書いて送ってきて、少し楽しい気分になりました。

誤変換の原因の2つ目は、その時の自分の状態を表す誤変換。オカルトっぽい話になりますが、自分がネガティブな波長になっていたり、運気が下がっていたりすると、誤変換にもそれが現れることがあります。スマホと現代人はほぼ一体化しているので、それだけバイオリズムが同期しやすいのでしょう。

過去にはこんな不吉な誤変換がありました。例えば「今日」と打ち込もうとしたら、なぜかまっさきに「凶」と変換される。「個人的に」と打ったらなぜか最初に「故人的」と出たことも。ちなみにその日はちょうど故人の話をしていたのでゾクッとしました。

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