2016年に日本人男性と結婚し、現在日本で子育て中でもあるエジプト人YouTuberの八十恵(やそ・めぐみ)さん。来日直後からアラビア語でのYouTubeチャンネル『Planet NIHON』で日本の生活を紹介し、現在、登録者数は約65万人となっている。そして2年前からは日本語チャンネル『THEエジプト人です!』も開設した。

 日本で登録した名前である「恵」の愛称「メグ」として、日本とエジプトの架け橋になっている彼女に、エジプトの現在から、結婚の経緯、国際結婚の難しさなどを聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

八十恵(やそ・めぐみ)さん ©︎細田忠/文藝春秋

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意外と知らないエジプトの実情

――エジプトといえばピラミッドがまずは思い浮かぶところですが、実際、今はどんな国なんでしょう。

八十恵さん(以降、恵) 今はリゾート地として知られるようになってきています。特に、紅海周辺が“モダン・エジプト”として人気ですね。

――ナイル川や地中海でなく、紅海が熱いんですね。

 エジプトはほとんど雨が降らず、国土の9割が砂漠なので、水がある地域、つまりナイル川周辺にしか人が住めなかったんです。でも、最近の開発で砂漠地帯にも水が通るようになり、紅海周辺もモダン・エジプトとして発展していった、という感じです。私の故郷も、紅海に接したハルガダという街です。

――小さいときは紅海で遊んだり?

 そうですね。今はリゾート地になっていますけど、私が小さかった時は本当に未開の地というか、田舎だったので、カイロに行った時、「ハルガダから来ました」というと、「あそこに人が住んでるの!?」と驚かれるくらいの場所でした。

生まれた国のクウェートでの写真 (本人提供)

 テレビも、海の波の具合で電波が不安定になるので映らないことも多かったですし、そもそもチャンネルも3つくらいしかなくて。だから、ビデオテープとかを見ていました。あと、遊びといえば、砂漠、ラクダ、馬ですね。

――砂漠で遊ぶって、どんなことをするんですか。

 雪でスキーするじゃないですか。同じように、砂漠スキーというのがあるんです。ススーッと進みますよ。

――ラクダは、みんな飼っているものなんですか。

 いえ、ラクダはお金持ちしか持てないので、完全にレジャーとして、「今日はお祭りだからラクダに乗るよ」みたいな感じで乗ってました。ラクダはバーベキューで食べることも多いですね。

前に座ってピンクの服を着ているのが恵さん (本人提供)

――ラクダは何肉に似た味ですか。

 難しいですね……しいていえばビーフ? 癖がなくて、バーベキューにはすごく合いますよ。あとこれも贅沢品ですが、ワニも食べます。それと馬、鹿も出ますね。